2009年の今日、7月31日を私はどうやって過ごそう・・・?とずっと考えていた。

 昨夜、最後に足を運んだお店は馴染みの日本酒専門店。
 見送られるのは気恥ずかしくて得意じゃないから、どこのお店に行っても、「もう、いいよ」と、逆に、私がそのお店の人を店内へと見送ったりもするのだが、昨夜は珍しく、階段の下まで送ってもらった。

 駅に戻った時点で、日付は7月30日から31日に替わって30分以上、経過していた。
 時間は刻々と残酷に過ぎてゆき、恐れていた日は、いとも簡単にやってきた。

 電車を待つわずかな時間、私は電話を掛けた。
 つい先日、「一周忌は無事に終わった?」と、心配して電話して来てくれた友人に・・・。正直、私にしては勇気の要る行動だった。

 普段、私は滅多に携帯に電話を掛けたりはしない。
 正確には、掛けられない。
 掛かってくる分はうれしいのだが、どうも気後れして(相手の状況も見えないし)、気軽に電話を掛けることができないのだ。相手が誰であっても・・・。

 でも、昨夜はどうにも弱っていた。
 誰かに頼りたかった。

 「(去年の)今日、もうすぐ、お母さんが死んでしまうの・・・」
 そうひと言、言うと、不覚にも涙ぐんでしまった・・・。

 去年の7月31日、母の心臓が止まって一番に連絡したのは、「(夜中でも)いつでも電話してきていいよ」と、ゆってくれていたその友人だったのだ。

 先日、電話をくれたとき、その友人の最後の言葉は、「○○○ちゃんも、頑張りんしゃい」だった。
 彼の故郷の方言はあたたかい。

 でも、昨夜は違った。
 「今日は、元気にならなくていいよ」そうゆってくれた。

 励まされないことが、なによりの励ましになる瞬間がある。
 彼自身も、数日前、大切な友人が亡くなったばかりで、元気なふりをすることさえままならない状態のようだった。

 そんな彼は、今日、友人である川村カオリさん の埋葬式に参列しているはずだ。
 
 川村カオリさま、どうぞ、安らかにお永眠りくださいヒヨコ。