終業時間を迎え、家路家を辿る。
 普段なら、地下鉄電車の前の方に乗車する。
 JR電車への乗換えがスムーズにいく位置だからだ。

 でも、この日は後ろの方に乗車した。
 京都駅地下のCDショップで買い物をするために、そこに一番近い場所で降りたかったのだ。

 私が地下鉄の改札を抜けようとしたその瞬間、私の視野の端っこで、小さな黒い物体が空を切った・・・ように思った。
 ツバメはてなはてなはてな急いでそちらの方を見渡してみるも、何もいない。

 ツバメが誤って、こんな地下街に巣を作っていたら大変困った・・・そう思いながら、立ち止まっては天井を確認しつつ、私はCDショップの方に向かって歩いて行った。

 でも、どこにもそんなものは見当たらない。
 私の見間違いか・・・良かった笑い
 “地下に巣を作るツバメなんていないよね”と、自分に言い聞かせるヒヨコ

 だが、CDショップに入ろうとしたその瞬間、また、私の意識が働かない視野の端っこの部分で、何かが空を切ったびっくりやっぱり、何かいる・・・落ち込み

 立ち止まり、注意深く見渡してみると・・・そこには1羽のすずめがいた。
 “あ、やっぱり、いたんや・・・”

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 見てしまった。気づいてしまった。急にブルー困ったになる。

 いつもそうだ。
 捨て猫猫を見つけても、野良犬犬を見つけても、なんとか助けてやりたくて必死になって悲しい、でも現実は厳しくて、ブルー落ち込みになる。

 うっかり地下街に迷い込んだすずめは外に出ようと必死で飛び回るも、お店のガラスや壁にぶつかって落ちるだけ・・・。
 こんな迷路のような地下から、すずめが自力で無事に外に出られるとは思えないアウト

 “どうしようはてなはてなはてな困った・・・悲しい
 網でもあれば自分で捕まえて外に出してやれるが、怖くて、素手で捕まえることなどできない。でも、ここに網を売っているようなお店などあるわけもない。

 “このまま放っておけば、どんどん弱って、(水分もとれなければ)明日の朝には息絶えてしまうだろうドクロ
 そう思うと、その小さな命を見捨てることなど、私にはどうしてもできなかった。
 乗ろうと思っていた時間の電車電車を諦める。

 “1度、捕まえ損ねたら、きっと、警戒して、2度と人間に近づかなくなるだろう”
 そう思うと、下手に動けなかった。慎重に行動しないと・・・。

 すずめに触れることを怖がっているような女女の子の私では、結果は見えている。
 力を貸してくれそうな人男の子を探さなきゃ。

 でも、道行く人たちは、誰一人として、通路の端っこにうずくまる弱ったスズメのことなど気にも留めない悲しい

 私にはその薄情さが不思議なのだ・・・。
 放っておいたら死んでしまうのに・・・人間の力で助けてやれるのに・・・悲しい
 どうして、知らん顔をして通り過ぎてしまえるのか・・・。
 その無関心さは、路上生活者の人たちへの無関心さと、なんら変わりは無いものだ。

 人間が他の動物より、ちょっとばかり脳みそが多いのならば、“自分がスズメだったらどんなに怖いだろうはてな”と、考え及ぶのが当然なんじゃないだろうか。
 人間は優れた動物かもしれないが、人間の命ドキドキ小だけが尊いわけじゃない。

 そこで、写真を1枚撮った。余裕があったわけじゃない。
 “そこから動かないでヒヨコ”という願いと、“絶対に救ってあげてハッピーな写真にしようウサギ”という誓いを込めて撮ったものだった。

 私は、社交性が無いダメ。自己嫌悪に陥るくらい引っ込み思案だ。
 でも、こういうときは、ちょっとだけ勇気のある力こぶ人間になれる。

 すずめを救いたい一心ドキドキ大で、知らない人にも声を掛けられるのだ拍手

 “急いでいるサラリーマンは避けて・・・”と、人の流れを見ていたら、ガードマンらしき制服を着た男性がこちらに向かって歩いてきた。
 “この人びっくり”直感電球でそう思った。

 「すみません。少しお時間ありますかはてな
 どんなにすずめを救いたくても、急いでいる人をつき合わせるわけにはいかないから・・・。

 これが、私の人生、初めてのナンパかな。(笑)
 
 話かけた瞬間、怪訝そうにしていたその男性も、「すずめを外に出してやりたいんですびっくり」という私の必死の思いをすぐに汲み取ってくれた様子で、すずめの位置を確認すると、すぐに側に近づいていかはったのです。

 男性の対応があまりにも早かったため、“そぉ~っと行かないと、飛んでしまう・・・困った”と、内心、冷や冷やしつつ、私はその男性の後ろをついてゆきました。

 でも、さすが男の人ですびっくり
 すずめの側まで近づいていき、怖がることもなく、瞬時に上手く両手で覆うように捕まえてくれはりました。
 
 逆に言えば、人間が近づいても逃げなかったというのは、それだけ弱ってしまっている証拠でもあったのでしょうが・・・悲しい。(もしかしたら、目も見えなかったのかも・・・悲しい
 でも、ホっダッシュとしました。

 「ありがとうございますびっくり」何度もお礼を言いつつすいません、今度は私が男性の先に立って、地下街の扉(手動ドアです)を開け、1歩先に階段を昇ります。
 先に行って、すずめを放してもらう適当な場所を探さないといけないから・・・。

 「すみません。あそこの木のところに放してやってもらえますかはてな」と、ちょっと先の方を指し示す。
 私につきあわされて迷惑落ち込みでしょうに、その男性は「いいですよハート」と、快く返事をしてくれはりました。

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 写真は、街路樹のところでスズメを放してくださる瞬間ですウインク

 最初、ふさいでいた片方の手を外しても、すずめは飛び立とうとはしませんでしたダメ
かなり弱っていたのでしょう。飛べない様子だったのです。

 一瞬、“どうしよう???”と、焦りましたが、もう一度、男性が木の上に手を伸ばすと、今度はバタバタと羽ばたいて行ってくれました。本当にホっ笑いとしました。良かった・・・笑い

 もし、いつもの改札口から出ていたら、私はこのすずめの存在に気づくことはなかったでしょうダメ
 でも、偶然、弱ったすずめを見つけ、偶然、親切で適切な行動をとってくれた男性ハートに巡りあえたことで、なんとかあのすずめの命を地下街から救い出してやることができたのです拍手

 哀しいけれど、全てを救うことなど、誰にも出来っこない。(毎日、保健所では、罪の無い命が大量に殺されてゆく・・・ドクロ
 でも、これからも、縁あって自分の目に映った儚い命は、自分の持てる力全てで守ってやりたいヒヨコ・・・改めて心に誓う私なのでしたドキドキ大

 ガードマンのお兄さん、力を貸してくださってありがとうキラキラキラキラ

 どこかですれ違っても、もうお互い、気づかないかもしれないけれど、私はあなたの強さ力こぶと優しさドキドキ大をずっと忘れることはないでしょう。クローバークローバークローバー